ベルヴィル・ランデブー

BSでやっていた!!
 最近見直したかったのに、買ったはずのDVDが見つからずにいたのでうれしい。

 舞台は1920〜40年代フランスの田舎町。
 両親をなくした孫がおばあちゃんと暮らすことになるが、孫は極度に内気でウツウツとしている。おばあちゃんはそんな彼を元気にしようと、色々おもちゃを与えるが、どれも効果なし。
 そんなある日、おばあちゃんは孫の部屋に貼られている写真に、どれも共通して自転車が写りこんでいることに気付く。さっそく自転車をプレゼントしてみると案の定、孫はこれまで見せたことのないハシャぎ様を見せる――それから十数年、おばあちゃんは孫の自転車愛に応えるべく、必死に彼を鍛え、自転車選手となってツール・ド・フランスに参戦するまでに育て上げた。しかしレースの途中、孫は自転車賭博を取り仕切るマフィアに誘拐されてしまう。必死に追いかけるおばあちゃん。しかし大追跡もむなしく、孫は大きな貨物船に乗せられ出航。このままでは孫を見失ってしまう!焦ったおばあちゃんは、浜辺で観光用に貸し出している小さな足こぎボートにのると、一路貨物船を追って大海の先の大都会・べルヴィルへ向かうのだった
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 アスリートの孫より元気な婆さんが大活躍。

 この派手なんだか地味なんだかわからない・まして主役がおばあちゃんで大丈夫なの?と疑わしくなるストーリーを、ほとんどセリフなしで、テンポの良さでみせる。加えて体格・顔つきを極度にデフォルメされたキャラクター(やたら鼻・目・体をデブらせたり尖らせたり、ブサ・キモかわ)、こまごま描き込まれた町並みが楽しく、年代を意識した音楽もシャレていて飽きることなし。

 写真左は、ベルヴィルに着いたおばあちゃんが知り合った、三つ子の老姉妹(新聞や掃除機のたてるノイズで演奏するアバンギャルドなミュウジッシャン。普段は近所の池に手榴弾なげカエル狩りをして、それを主食にして生きながらえている…)。
 このおばあちゃんたちがコーラスしてる、という設定のこの映画の主題歌がえらくかっこいい。(↓)は歌っている歌手本人のPV。でもこのPVの中で、彼もアニメの中に入ってしまう。

厭世的な歌詞も最高(↓)
トンブクトゥでは死にたくない
暑さで肌がつっぱっちまう
シワシワのヨレヨレでいたい
ベルヴィルの三つ子みたいに

アカプルコで死ぬのは嫌だね
ぎこちなくジゴロと踊るなんて
グニャグニャしていたいんだ
ベルヴィルの三つ子みたいに

ベルヴィル・ランデブーでスウィング
ダンス・マラソンでドゥディルー
ブードゥーにカンカン、ほうきにタブー
ベルヴィルでスウィングしてランデブー

シンガポールで死ぬのは嫌だね
インテリっぽく過ごすなんて
ヨレヨレのバカでいたいんだ
ベルヴィルの三つ子みたいに

ホノルルで死ぬのは嫌だね
鳥のように歌うなんてごめんさ
ハスキーな声でいたいんだ
ベルヴィルの三つ子みたいに

ベルヴィル・ランデブーでスウィング
ダンス・マラソンでドゥディルー
ブードゥーにカンカン、ほうきにタブー
ベルヴィルでスウィングしてランデブー


コンスタンティノープルも嫌だね
韻を踏みにくい地名だから
イカれて騒いでいたいんだ
ベルヴィルの三つ子みたいに

カトマンズなら住んでもいい
韻を踏みやすい地名だから
でもやっぱりイカれて騒ぎたい
ベルヴィルの三つ子みたいに

ベルヴィル・ランデブーでスウィング
ダンス・マラソンでドゥディルー
ブードゥーにカンカン、ほうきにタブー
ベルヴィルでスウィングしてランデブー

ベルヴィル・ランデブーでスウィング
ダンス・マラソンでドゥディルー
ブードゥーにカンカン、ほうきにタブー
ベルヴィルでスウィングしてランデブー

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これ一回きいたらとまらなくなるんだよな…しばらく聞いてよう。