ザ・ハンガー

 ぽすれんで「ザ・ハンガー」をかりました。
ザ・ハンガー プレミアム [DVD]

 カトリーヌ・ドヌーヴデヴィッド・ボウイが何世紀もの間生き続けているヴァンパイヤの夫婦なのです。互いの美貌を武器に若者ひっかけては殺し、その血を飲んで生きながらえて、官能の日々を気まぐれにすごしているのですが、ボウイの方が体の組織自体が弱って急に老化し死んでしまいます。しわしわのボウイ。ああ。筋肉すぎるのもどうかと思うけれど、ああ。まだ見ぬ栄枯衰盛をここに見た。ボウイが中途半端な美人と一緒にいるとボウイのほうがきれいで「女すっこめ!」と思いますが、もう、女ざかりの脂乗り切ったカトリーヌ・ドヌーヴと並ばれちゃあ文句のつけようがなかったよ。違う場面のカットを瞬間的にぶつぶつ入れるエキセントリックな編集がされてて、そういうの普段はあんまり好きじゃないけど、ここでは恐ろしく出演者2人の雰囲気に飲まれた演出でドラマチックに死のイメージを加速させていて、よかった。「カポーティ」を見た後で、生死を深く考えさせよう、とする映画見たくなかったから(フィリップシーモアホフマンの演技はよかったけど、ストーリーが…カポーティがなぜあの犯人に魅せられたのか伝わってこなかった。手の込んだ再現フィルムみたいだった)御伽噺のように見られてよかったです。

 スーザン・サランドンが目かっぴらいてキリッと着こなしている80年代ファッションを見て「こういう雰囲気できればかっこいいのか。選ばれしもののファッションだったのだな」とさらに思った。

 あと自分の中では「日本の岩下志麻、フランスのカトリーヌ・ドヌーヴ」。似ていませんか、オーラが。立ち位置が。極妻なんか語らなくても。特に若い頃。